○明日香村景観条例
平成22年12月14日
条例第16号
目次
第1章 総則(第1条~第6条)
第2章 景観の形成
第1節 景観計画の策定等(第7条・第8条)
第2節 行為の規制に関する事項(第9条~第17条)
第3節 大字景観計画(第18条・第19条)
第4節 景観重要建造物及び景観重要樹木(第20条)
第5節 公共事業の景観形成(第21条・第22条)
第6節 景観づくり協議会(第23条)
第7節 景観づくり団体(第24条)
第8節 明日香景観アドバイザー(第25条)
第3章 明日香景観委員会(第26条)
第4章 表彰及び支援(第27条・第28条)
第5章 雑則(第29条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、明日香村における良好な景観の形成に関する基本的な事項及び景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)第8条第1項に規定する景観計画の策定の指針及び法の施行に関し必要な事項を定めることにより、明日香村の歴史的風土と調和した良好な景観の保全及び創出に資するとともに、これを次世代に引き継いでいくことを目的とする。
(基本理念)
第2条 明日香村の歴史的風土は、村民共通の財産であるとともに国民共有の財産であることにかんがみ、現在及び将来、村民がその恵沢を享受できるよう、その整備及び保全並びに良好な景観形成が図られるものとする。
2 明日香村の良好な景観は、その地域の自然、歴史、文化等と人々の生活、経済活動等との調和により形成されるものであることにかんがみ、生活、文化及び生業の面からも保全が図られるものとする。
3 明日香村の良好な景観の形成は、現にある良好な景観を含むものであることを旨として行われるものを保全することのみならず、新たに良好な景観を創出し、改善を図ることとする。
(用語)
第3条 この条例において使用する用語は、特別の定めのある場合を除くほか、法において使用する用語の例による。
(村の責務)
第4条 村は、第2条に定める基本理念に基づき、総合的かつ計画的に良好な景観形成を図らなければならない。
2 村は、道路、河川、公園その他の公共施設等の整備に当たっては、良好な景観の形成のために先導的な役割を果たさなければならない。
3 村は、良好な景観の形成を図るため、啓発及び支援を行い、良好な景観形成に対する事業者及び村民の理解を深めるよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、その事業活動を行うに当たって、景観に与える影響が大きいことを自覚し、自主的かつ積極的に良好な景観の形成に努めなければならない。
2 事業者は、村が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
(村民の責務)
第6条 村民は、自らが良好な景観の形成の主体であることを認識し、自主的かつ積極的に良好な景観の形成に努めなければならない。
2 村民は、村が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
第2章 景観の形成
第1節 景観計画の策定等
(景観計画の策定)
第7条 村長は、法第8条第2項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を景観計画に定めることとする。
(1) 良好な景観の形成に関する方針
(2) 良好な景観形成、保全及び再生のための事業を優先して実施し、景観の形成を先導していく区域(景観形成特定区域)
(3) 第18条に規定する大字景観計画
(4) その他良好な景観の形成に関し必要な事項
2 景観法施行令(平成16年政令第398号。以下「政令」という。)第7条ただし書に規定する条例で定める規模は、規則で定める区域に限り、1,000平方メートルとする。
第2節 行為の規制に関する事項
(景観形成基準に係る配慮義務等)
第9条 景観計画区域内において、法第16条第1項各号に掲げる行為又は第13条に掲げる行為をしようとする者は、当該行為が景観計画に適合するよう努めなければならない。
(法に基づき景観行政団体が定める届出対象行為)
第10条 法第16条第1項第4号に規定する条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 土地の開墾、土石類の採取その他の土地の形質の変更
(2) 木竹の伐採
(3) 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。)、再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。)その他の物件のたい積
(4) 水面の埋立て又は干拓
(届出を要しない行為)
第11条 法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 建設等に係る部分の地盤面からの高さが1.5メートル以下の工作物のうち、門、塀、垣、さく、擁壁その他これらに類するもの以外のものの建設等
(2) 建築物又は工作物のうち、煙突、門、塀、橋、鉄塔その他これらに類するもの以外のものの色彩の変更
(3) 建築物の存する敷地以外で行う面積が10平方メートル以下の土地の開墾、土石類の採取その他の土地形質の変更であり、かつ、高さが1.5メートルを超えるのりを生ずる切土又は盛土を伴わないもの
(4) 建築物の存する敷地内で行う土地の開墾、土石類の採取その他の土地形質の変更であり、高さが1.5メートルを超えるのりを生ずる切土又は盛土を伴わないもの
(5) 建築物の存する敷地以外の土地にある独立木で、高さが15メートルを超えず、かつ、1.5メートルの高さにおける幹の周囲が1.5メートルを超えないものの伐採
(6) 建築物の存する敷地内における高さ5メートル以下の木竹の伐採
(7) 屋外における土石、廃棄物又は再生資源の堆積で、面積が10平方メートル以下であり、かつ、高さが1.5メートル以下であるもの
(8) 面積が10平方メートル以下の水面の埋立て又は干拓
(特定届出対象行為)
第12条 法第17条第1項の条例で定める特定届出対象行為は、法第16条第1項第1号及び第2号に掲げる行為とする。
(その他の届出対象行為及び勧告等)
第13条 法第16条第1項各号に掲げる行為のほか、次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ規則で定めるところにより、その内容を村長に届け出なければならない。届け出た事項を変更しようとする場合も、同様とする。
(1) 第18条に規定する大字景観計画に規定された行為
(2) 仮設の工作物の建設等であり、かつ、次のいずれにも該当しないもの
ア 景観計画区域内において行う工事に必要な仮設の工作物の建設等
イ 祭礼その他これに類する慣例的な行事のため一時的に設ける工作物の建設等
(3) 地下に設ける建築物又は工作物(水道管、下水道管その他これらに類する工作物を除く。)の建設等
2 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち、規則で定める事項を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を村長に届け出なければならない。
3 村長は、前2項の規定による届出があった場合において、その届出に係る行為が景観計画に定められた当該行為についての制限に適合しないと認められるときは、その届出をした者に対し、その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告することができる。
5 第1項の規定による届出をした者は、村長がその届出を受理した日から30日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。
7 国の機関、県の機関又は村の機関が行う行為については、第1項の規定による届出をすることを要しない。
(勧告に従わなかった旨の公表)
第15条 村長は、法第16条第3項及び第13条第3項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
2 村長は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に意見陳述の機会を与えた上で、明日香景観委員会の意見を聴かなければならない。
(空き地及び廃屋の管理の要請)
第16条 村長は、村内にある空き地及び廃屋(以下「空き地等」という。)が明日香村の景観を著しく阻害していると認められるときは、空き地等の所有者又は使用者に対し、景観に配慮した管理を要請するものとする。
(既存不適格の建築物及び工作物の修景の要請)
第17条 村長は、現に存する建築物又は工作物が、明日香村景観計画の規定に適合せず、又は明日香村景観計画の規定に適合しない部分を有し、それらが明日香村における良好な景観の形成に影響を及ぼすおそれがあると認める場合においては、当該建築物又は工作物の所有者に対し、景観に配慮するよう要請することができる。
2 村長は、前項の規定による要請をしようとするときは、あらかじめ明日香景観委員会の意見を聴かなければならない。
第3節 大字景観計画
(大字景観計画の認定)
第18条 景観計画区域のうち、周辺の地形、建築物等の立地の状況等からみて開発行為、建築物等の整備、屋外広告物の整備等の一体的な取組が望まれる区域について、当該区域の存する第23条に規定する景観づくり協議会は、規則で定めるところにより、良好な景観の形成を図るために当該区域の特性に応じた大字景観計画を作成し、村長に認定を申請することができる。
2 大字景観計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 名称及び区域
(2) 大字景観計画の目標
(3) 景観の形成に関する事項
(4) 大字景観計画の達成を担保するための措置
(5) その他大字景観の形成に当たって必要な事項
3 村長は、大字景観計画を認定するときは、あらかじめ明日香景観委員会の意見を聴かなければならない。
(1) 大字景観計画の内容が景観計画に定める良好な景観の形成に関する方針に適合するものであること。
(2) 大字景観計画の内容を実現することが、良好な景観の形成及び歴史的風土の保存に資するものであること。
(3) 大字景観計画の内容が、一体として当該区域の特性に応じた景観の形成に資するものであること。
第4節 景観重要建造物及び景観重要樹木
第20条 村長は、法第19条第1項の規定による景観重要建造物の指定をしようとするとき、又は法第28条第1項の規定により景観重要樹木の指定をしようとするときは、あらかじめ明日香景観委員会の意見を聴かなければならない。
2 村長は、景観重要建造物又は景観重要樹木の指定をしたときは、速やかに、その旨を告示しなければならない。
3 前2項の規定は、景観重要建造物又は景観重要樹木の変更又は解除について準用する。
第5節 公共事業の景観形成
(公共事業景観形成指針)
第21条 村長は、公共施設等の整備に関する事業(以下「公共事業」という。)の実施に当たって景観形成のための指針(以下「公共事業景観形成指針」という。)を策定することができる。
2 村長は、公共事業景観形成指針を策定し、又は変更しようとするときは、委員会の意見を聴かなければならない。
3 公共事業を実施する者は、公共事業景観形成指針に即して当該公共事業を実施するよう努めなければならない。
4 村長は、国の機関、県の機関又は村の機関に対し、これらの者が実施する公共事業について、公共事業景観形成指針に配慮するよう求めることができる。
(公共事業の事前協議等)
第22条 景観計画区域内において、国の機関、県の機関又は村の機関が、第13条に掲げる行為をしようとするときは、あらかじめ村長にその旨を通知しなければならない。
2 村長は、前項の規定による通知があった場合において、その通知に係る行為が明日香村における良好な景観の形成に影響を及ぼすおそれがあると認める場合においては、当該国の機関、県の機関又は村の機関に対し、協議を求めることができる。
第6節 景観づくり協議会
第23条 村長は、景観計画の提案、景観協定の締結等により、専ら地区の良好な景観の形成を推進することを目的として村民等が設置した協議会を景観づくり協議会として認定することができる。
2 前項に定めるもののほか、景観づくり協議会に関し必要な事項は、規則で定める。
第7節 景観づくり団体
第24条 村長は、一定の地域の良好な景観の形成に寄与する活動を行うことを目的とした団体を景観づくり団体として認定することができる。
2 前項に定めるもののほか、景観づくり団体に関し必要な事項は、規則で定める。
第8節 明日香景観アドバイザー
第25条 村長は、良好な景観の形成に関する活動を支援するため、良好な景観の保全、育成、創造及び活用について助言を行う者を明日香景観アドバイザーとして登録することができる。
2 前項に定めるもののほか、明日香景観アドバイザーの設置に関し必要な事項は、規則で定める。
第3章 明日香景観委員会
第26条 村長の附属機関として、明日香景観委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、この条例に定めるもののほか、村長の諮問に応じ、良好な景観の形成に関する事項について調査し、及び審議するものとする。
3 委員会は、良好な景観の形成に関する事項について、村長に意見を述べることができる。
4 景観計画の変更については、委員会の議を経るものとする。
5 前3項に定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、規則で定める。
第4章 表彰及び支援
(表彰)
第27条 村長は、景観形成に寄与していると認める建築物、工作物、広告物その他の物件の所有者、設計者若しくは施工者、樹木、水辺その他これらに類するものの所有者又は活動を行った団体等を表彰することができる。
2 村長は、前項の規定による表彰をしようとするときは、あらかじめ委員会の意見を聴かなければならない。
(支援)
第28条 村長は、良好な景観の形成を推進するため、必要があると認めるときは、技術的な支援又は予算の範囲内において財政的な支援を行うことができる。
第5章 雑則
第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成23年4月1日から施行する。
附則(平成24年条例第16号)
この条例は、平成24年4月1日から施行する。