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平成29年度 施政方針
平成29年度 施政方針

  平成29年明日香村議会第1回定例会において、平成29年度の予算、並びに諸議案のご審議を頂くにあたり、村政運営に関する基本的な考え方と新年度における施策の大綱を申し上げ、議員各位及び村民の皆様方のご理解とご協力をお願いするものであります。
近年、SNS等の普及により世界中に様々な情報が瞬時に拡散していくなか、テロ・難民問題や核開発問題などが深刻化しており、加えて中国の経済成長の低迷、英国のEU離脱宣言、米国の新大統領就任などにより、世界の社会経済情勢は益々不透明で予測しづらいものとなっています。
国内では、少子高齢化が加速し、待機児童問題や介護・医療・社会保障などの課題が深刻化するなか、2020年の東京オリンピックの開催や外国人観光客の地方部への増加傾向などのプラス要因はあるものの、日本経済全体はなかなか上昇基調には入れない状況にあります。地方部においては、地域自らが、国・自治体・民間等と連携し、地域資源を活用して、地域をいかに再生していくのかが求められているところです。
政府は、「経済再生なくして財政再建なし」を基本とし、名目GDP600兆円経済の実現と平成32年度財政健全化の双方の目標実現を目指すとしており、一億総活躍社会の実現に向け、アベノミクス「新・三本の矢」(1)希望を生み出す強い経済(2)夢を紡ぐ子育て支援(3)安心につながる社会保障 に沿った施策を実施するとしています。
そのようななか、国の平成29年度一般会計予算案の総額は97兆4,547億円で、前年度に比べ、7,329億円の増額となっており、5年連続で過去最大を更新しました。しかし、国債発行額の残高は平成28年度末で838兆円となる見込みで、国の歳出改革の取り組み如何では、村の財政運営に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
さて、本村においては、今年2月28日現在、人口は5,696人、高齢化比率は36.4%となっており、若年層の村外流出、空き家や耕作放棄地の増大など従来より懸念されてきた課題が顕在化しています。平成2年から平成27年の人口減少率は25%に達しており、予定されている今年春の過疎法の改正に伴い、明日香村が過疎地域に追加される見通しとなっています。
村としては、第4次明日香村総合計画を着実に推進するとともに、「明日香まるごと博物館づくり」を推し進め、併せて、昨年1月に策定した明日香村人口ビジョン・総合戦略に基づき、「暮らしたくなる村づくり」「働きたくなる村づくり」「魅力を磨きつづける」を目標に、総合的に各分野の施策展開を図っていく考えです。
平成29年度の予算編成においては、①阪合地区公有地等住宅開発事業の造成、②産業集積ゾーンでの宿泊施設等の誘致、③新庁舎建設にかかる基本計画策定のための検討、に加え、牽牛子塚古墳等の復元整備着手など、未来の村づくりに関わる主要なプロジェクトを着実に実現していくとともに、広く効果効率的な事業推進を心がけることで、引き続き規律ある財政運営を堅持し、将来負担の軽減を図ってまいりたいと考えています。
平成29年度当初予算案の概要ですが、一般会計の予算総額は、37億7,900万円で、前年度と比べると牽牛子塚古墳等整備事業を中心に教育費で1億円20.4%の増、農林商工費では農業振興施設整備事業5,000万円等をはじめ9,000万円44.8%の増、消防費では昨年計上していた防災倉庫整備事業分1億円44.8%の減などとなっており、一般会計全体で1,500万円、0.4%増となります。一般会計と8特別会計及び水道事業会計の合計10会計を合算すると、62億2,977万円となり前年度と比べると8,011万円、1.3%減となっています。
それでは施策について、5つのテーマに分けて説明させていただきます。

第1は「明日香村第4次整備計画事業の推進」です。
残すところ3ヶ年となる現計画を新たな第5次整備計画へと展開していくため、国土交通省、奈良県及び明日香村の幹部級による検討会議が発足されます。その中で、「活力あるむらづくり」への展望がひらけ、国や「飛鳥議連」等によるご支援にも繋がるよう努めていきたいと考えています。
次に第4次整備計画における、道路整備については、県道多武峰・見瀬線の道路改良事業、県道橿原神宮東口停車場・飛鳥線の電線地中化事業、及び村道地ノ窪線の道路改良事業の早期完成を目指してまいります。また、生活道路については、地元要望を踏まえ、緊急性、重要性を考慮し、安全・安心かつ歴史的風土や周辺景観と調和した整備に努めてまいります。
次に、水道事業については、効率的な事業運営に努めるとともに県営水道との広域化を検討してまいります。また、安全で安定した水の供給のため、避難所への配水管の耐震化など計画的に進めてまいります。
下水道事業については、未整備箇所の整備を進めるとともに、引き続き水洗化率の向上に向け啓発に努めてまいります。経営面では、経営情報、資産状況の把握による経営基盤の強化及び財政マネジメントの向上が求められており、平成31年度に公営企業会計へ移行を目指し準備を進めてまいります。

第2は「暮らしたくなる村づくり」です。
はじめに、居住・定住についてです。直近の数年は、社会増が見られるものの全体的には、人口が減少しており、地域の活力維持と多様な年代が豊かに住み続けられるむらづくりが喫緊の課題となっています。そこで市街化区域内公共用地等において、今春から新たなまちづくりのための造成事業に着手し、平成30年夏の入居を目指してまいります。併せて、子育て世代の転入誘導や施設リノベーションの観点から、空き家・古民家改修による補助制度の拡充を図り、移住や起業を推進してまいりたいと考えています。また、村内における光ケーブル敷設の障害となっている、木製電柱を鋼管柱等へ建て替えるよう積極的に事業者に働きかけ、ICTの総合的・効率的な活用の検討を進めてまいります。
次に、公共交通については、昨年10月から新しい公共交通の本格運行を実施していますが、平成29年度も引き続き村民・観光客への利用促進策を講じながら、持続可能な公共交通体系を構築してまいります。
幹線道路や橋りょうについては、年次計画により点検・修繕を実施し、長寿命化を図るとともに、走行環境の安全性を確保してまいります。
また、局地的豪雨など、従来想定していなかったような自然災害が発生する可能性が高まっていることから、地域の実情に見合った防災・減災対策や自助・共助の重要性に関する意識を高める防災訓練を実施してまいります。
加えて、非常時に備え、備蓄品等の充実・強化、並びに自主防災組織率の向上に取り組んでまいります。
さらに、防犯力の向上を図るため、引き続き、自主防犯組織の活動を支援し、防犯灯の設置など、安全で安心な地域社会の実現を図ってまいります。


次に、教育・子育てについてです。
教育においては、児童・生徒数が減少する中、小規模校のメリットを活かしつつ、明日香の特徴的な教育である幼小中一貫教育、英語教育や郷土学習の充実、少人数学級編成等によるきめ細かな授業などにより、学力の向上と自立した感性豊かな子どもたちの育成を図ってまいります。また、中学校の受電設備の更新を図るなど、学習環境の充実・向上も行ってまいります。
子育て支援策では、安心して子どもを産み、健やかに育てることができるよう、子育て世代包括支援センターでの子育て総合相談窓口を充実し、妊娠前から子育て期までの全般にわたる様々なニーズに対して、総合的な支援を提供しながら、母子の健康管理や虐待防止等にも支援を実施してまいります。
さらに、子育て家庭の交流・教室事業の充実を図るとともに、子育て家庭が相互に助け合える仕組み「ファミリーサポート明日香」の運営も開始いたします。また、子育て世代の経済的な負担を軽減するため、保育園保育料軽減事業、多子世帯にかかる保幼小中の給食費負担軽減事業や幼稚園保育料等軽減事業、不妊治療助成事業や妊産婦健診助成事業、中学3年生迄の医療費助成事業等を引き続き実施し、さらに、出産お祝金助成事業を拡充するとともに、小学校・中学校への新入学児童・生徒へのお祝金の支給を開始することといたします。また、子育て家庭が安心して子どもを預け働くことができるよう、引き続き放課後児童クラブの運営に努めてまいります。


次に、健康・福祉については、村民の皆様方が健康で安心して暮らせる村づくりの実現を目指し、将来重要な健康課題となる可能性のある疾患の低減を図るため、地域医療連携事業を中心に奈良県立医科大学や国保診療所並びに橿原地区医師会等と連携し、引き続き各種健診事業の充実に努めてまいります。また、大字等のサロン活動などと連携し、食生活の改善や運動習慣の取得のための「健康ステーション事業」や、筋肉量・筋力が低下してきた方に対して早期の運動プログラムを提供する「フレイル予防教室」を新たに開催し、生活の基盤となる健康づくりの支援環境を整え、多世代にわたる健康意識の向上に繋げてまいります。
次に、高齢者福祉です。目指す目標として「要介護認定率の抑制」を掲げながら、医療、健康づくりと介護、介護予防の分野を連携させて、地域包括ケア体制を構築してまいります。まず、地域における多職種連携として、暮らしを支え合うために専門職種と住民の皆様との身近な関係づくりを進めてまいります。一方、退院後、安心して在宅の介護へ移行できるよう、医療・介護の関係者の間で退院調整のルールを作成し、実践してまいります。また、社会福祉協議会等と連携し、見守りや安否確認、外出支援などの日常生活の支援活動を展開し、地域で支え合う環境整備を推進してまいります。
次に、障がい者福祉です。障がいのある人もない人も、ともに安心して暮らすことができる社会の実現を目指して、一人ひとりのニーズに応じた各種福祉サービス提供体制の充実に努めてまいります。


第3に「働きたくなる村づくり」です。
初めに、企業等の誘致活動についてです。昨年10月に締結した星野リゾートとの「企業立地に関するパートナーシップ協定」をふまえ、真弓地区における宿泊施設の誘致に伴う地元対応を図り、併せてその実現に向けて上水道の供給の検討などの村の支援策を進めてまいりたいと考えています。
一方で、空き家を村の資源として考え、古民家のビジネス利用支援により、放置された空き家の再生と集落維持、及びビジネスチャンスの場の提供により、村の活性化を図ってまいります。
次に、農業の振興についてです。農業従事者の高齢化や担い手の減少、有害鳥獣による農作物の被害等により、農業者の生産意欲の低下や耕作放棄が進み、景観保全の観点からも大きな課題となっています。このことから、引き続き、国の「日本型直接支払制度」等を活用し、営農活動や地域活動を支援してまいります。また、平成29年度から名称が変更される農業次世代人材投資事業(旧 青年就農給付金事業)を活用し、新規就農者の就農意欲の喚起と就農後の定着を図るとともに、農業塾の開講により就農希望者の掘り起こしを行ってまいります。さらに、高齢農家や兼業農家等の農作業負担を軽減し、持続的に営農が行えるよう農作業受託者等の育成を図ってまいります。
加えて、農業委員会をはじめ、地域振興公社や関係団体等と連携し、農地利用の最適化に取り組んでまいります。
有害鳥獣対策については、猟友会と連携するとともに、新たに有害鳥獣駆除専門員を確保し、有害鳥獣の個体数の減少に取り組んでまいります。
林業の振興については、近年の木材価格の低迷により、森林の施業放置が進んでいることから、県の森林環境税等を活用し、間伐等の施業を行うとともに、間伐材の利用を促進してまいります。
次に、商工業の振興については、商工業者が経営の合理化や近代化などを図る際に必要な資金融資に対して、債務保証料や利子補給などの支援を行ってまいります。

 

第4に「魅力を磨きつづける」です。
初めに、『飛鳥・藤原』の世界遺産登録については、ユネスコへの早期申請をめざした条件整備などに努めるとともに、一昨年に認定された日本遺産『日本国創生のとき~飛鳥を翔た女性たち~』を国内外に発信するなど、飛鳥を世界に発信する取り組みを強化してまいります。
また、村の文化財の価値や魅力をわかりやすく伝えるため、「見える化」「体感」を意識した文化財の保存と活用を図ってまいります。具体的には、飛鳥の中核遺跡である飛鳥宮跡については、県と連携し史跡の追加指定及び公有化を促進し、整備・活用の手法を検討してまいります。牽牛子塚古墳では、隣接する越塚御門古墳と一体的な保存と活用に向け、歴史的風土にふさわしく、体感できる復元整備に着手してまいります。また、高松塚古墳壁画についても、古墳周辺での保存・展示施設の設置に向けて国等へ要望してまいります。
観光振興については、村の特性を活かした体験交流型のプログラムとして、国内外から教育旅行等の誘致を促進し、地域の活性化及び地域経済の発展に努めてまいります。また、明日香村の価値や魅力を広く発信するとともに、誘客や交流を促進するため、光の回廊、彼岸花祭や古都飛鳥文化祭等を開催するとともに、観光プロモーション会への参加やウェブ・SNSを活用した情報発信に取り組んでまいります。

第5に「村民及び各種団体等との協働事業」です。
活力ある村づくりをめざして、村民との対話などを進め、協働によるむらづくりを積極的に推進します。その際、効果効率的な行政運営を継続するため、「明日香村第3次行財政改革プラン」を踏まえ、実効性のある組織体制づくりや健全な行財政運営を推進してまいります。
大学等との連携・協働では、大学や企業が有する人材、知識、経験等を活用し、観光、福祉、教育など各分野での連携を深めてまいります。特に関西大学、奈良県立医科大学、天理大学、奈良県立大学等の大学との間で、より一層の効果的・継続的な取り組みを進めてまいります。
『学術・文化・スポーツ』の分野では、「国民文化祭なら2017」「全国障害者芸術・文化祭なら大会」の開催にあわせ、村民参加による伝承芸能等の文化芸術の発表の場として、文化交流による地域活性化を図ります。また、村にかかわる芸術家への発表の場の提供「クリエイティブ飛鳥」や、飛鳥をモチーフにした新たな芸術文化の創出「飛鳥アートヴィレッジ」などを継続することで、文化の振興と芸術に触れる機会の充実を行ってまいります。
また、総合型地域スポーツクラブへの支援を継続し、村民のスポーツ環境の整備、体力向上や健康増進に資するとともに、将来にわたって安定的な経営を維持できる体制づくりにむけた準備を進めてまいります。
最後に、昨年の熊本地震で役場などの防災拠点自体が被災した現状を鑑み、明日香村役場が建築後約50年を経過し、老朽化している点や村の歴史的風土や景観に相応しくない意匠・形態である点などをふまえて、新庁舎建設に向けた抜本的な取り組みが必要であると考えており、現在、基本構想についてパブリックコメントを実施しているところです。今後、具体的な位置や機能等について検討を進めたいと考えています。


以上、平成29年度の村政運営に関する基本的な考え方と新年度における施策の大綱を申し上げたところです。本方針に基づき、提案させて頂いた平成29年度予算案をはじめ、各議案につきましてご審議の程よろしくお願いいたします。



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