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明日香法
古都づくりと古都保存法
日本の古都を守るために

古都保存法は、正式には「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」といい、昭和41年(1966年)1月に公布、施行されました。 '60年代半ばは、'50年代半ばころから始まる高度経済成長の開発熱に反省が加えられた時代です。昭和40年(1965年)の京都タワー建設計画、双ヶ岡の開発問題、奈良・若草山の観光道路、三笠山のビル開発、鎌倉八幡宮の裏山(御谷)を削る宅地造成計画などは、日本全国に大きな論議を巻き起こし、京都や奈良、鎌倉といった、いわば日本人の心のふるさとである街の風景を破壊するな、という声が大きくなったのです。これを背景に、古都保存法は成立しました。歴史的遺産、文化的遺産の一つひとつについてではなく、それらと一体となった自然的環境のすべてを「歴史的風土」と捉え、その風土・環境を開発の波から守ろうとするのが、この法律の考え方です。明日香村全域が指定されている歴史的風土特別保存地区のなかでは建築や造成などに一定の制限が課され、許可を受けることができなかった場合には損失の補償金や土地の買入れを行うなどの制度が定められています。

古都保存法のある街

現在、この法律が適用されている市町村は 全国に8市1町1村 。京都市、奈良市、鎌倉市、逗子市、大津市そして天理市、橿原市、桜井市、斑鳩町、明日香村です。明日香村は、昭和41年の古都保存法制定と同時に一部地域が指定され、昭和55年に村全域が歴史的風土特別保存地区(第1種歴史的風土保存地区、第2種歴史的保存地区)に指定されました。
しかも、他の市町ではその一部地域(多くは市街地から離れた場所)が対象となっているのに対し、明日香村は村全域が対象地域であること、また人の住んでいない地区やまったくの観光地というわけでもなく、実際に村人がそこで暮らしを営んでいる場であることに特徴があります。明日香村とその風土が、古都保存法の枠内でもいかに重要視されているかがわかるでしょう。
古都保存法は、制定50年弱を経て、数々の創造的な古都のまちづくりが進みました。例えば京都では産寧坂や嵯峨鳥居本などの町並み保存、町家の保存、祇園の景観に溶け込んだファッションビルの建設など。奈良市五條の街並み保存、天理市、桜井市をつなぐ山の辺の道の整備など。鎌倉では稲村ガ崎の買上げ、シルバー・ボランティアガイドによる「かまくらの歴史案内人」サービス・・・等々。いずれも古都保存法をきっかけに、官民一体となった取り組みであり、歴史的風土を明日に向けて創造的に維持・保全しようとする試みです。

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