キトラ古墳発掘情報
キトラ古墳壁画「白虎」公開

キトラ古墳は大字阿部山にある終末期古墳で、昭和58年にファイバースコープによって石室内の北壁に玄武の壁画が描かれていることが判明しました。
その後、平成10年の2度目の探査で、天文図や青龍と共に、西壁白虎が見つかりました。
その後、石室内部の発掘調査を実施していますが、壁画の状態が悪いことも判明しています。
特に、西壁「白虎」と東壁「青龍」は今にも落下しそうな状態であったため、発掘調査後に緊急的にとりはずしが行われています。
さらに、石室内での壁画保存が困難なことに鑑み、すべての壁画をとりはずすべく、壁画のはぎ取り作業が継続されています。


今回の特別公開は、はぎとりの終了している壁画のうち、状態が良好であった「白虎」を公開するもので、その他の壁画については、今後の保存状態をみながら公開をすることを考えています。
いずれにしても今回の公開は、実物のキトラ古墳壁画のはじめての公開となり、その美術的な価値も味わって頂きたいと思います。


この展覧会ではキトラ古墳壁画の「白虎」のほか、はぎとり作業で使用された道具や、石室の実物大模型が展示されています。
壁画のはぎとり作業は、はじめて実施された方法であり、これまでのところ、無事に作業は進んでいますが、非常に困難を伴う作業であったことが理解できると思います。

またキトラ古墳や高松塚古墳の壁画を、より理解するために、これまでに各地で発掘された壁画も展示されています。
これらは主に古代寺院に飾られていた壁画ですが、平成3年の上淀廃寺跡(鳥取県米子市)での発見以降、近畿を中心に断片的な壁画片の出壁画には山崎院(京都府大山崎町)や日置前廃寺(滋賀県高島市)の壁画片もあり、重要な資料とされています。


これらの出土壁画はいずれも寺院出土のもので、古墳壁画とはモチーフなど異なりますが、同時代の壁画の内容や技法・思想を考えるための材料となり、飛鳥時代を思い描く内容を豊かにしてくれます。

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