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1972年3月21日、明日香村大字平田の高松塚古墳において極彩色の壁画が発見されました。壁画の発見により、日本全国に考古学ブームや飛鳥ブームが到来し、明日香法制定の後押しともなりました。それから50年が経過するにあたりこれまでのあゆみを振り返ると同時に、これからの保存のあり方も考えるきっかけとして、明日香村を始め、多くの機関で関連記念の展示や講演会を行いました。
時期 | 名称(開催場所) | 主催 |
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12/24~ | 「高松塚古墳壁画発見50周年記念オリジナルフレーム切手の販売 《ビレッジレポートはこちら》 | 日本郵便株式会社 |
1/22~1/28 | 第36回壁画公開(高松塚古墳壁画仮設修理施設) | 文化庁、(独)国立文化財機構(奈良文化財研究所・東京文化財研究所)、国土交通省近畿地方整備局国営飛鳥歴史公園事務所、奈良県、明日香村 |
2/5~3/21 | 高松塚古墳壁画発見50周年記念展「よみがえる極彩色壁画」(奈良県立橿原考古学研究所附属博物館) | 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館 |
3/1~6/30 | 記念テーマ展示「高松塚古墳壁画発掘50周年」(関西大学博物館) | 関西大学博物館 |
3/19~4/15 | 高松塚古墳壁画発見50周年記念 万葉衣装展~よみがえる高松塚古墳壁画の世界(国営飛鳥歴史公園館、高松塚壁画館) | 国営飛鳥歴史公園、古都飛鳥保存財団 |
3/20 | 高松塚古墳壁画発見50周年記念シンポジウム「高松塚が目覚めた日ー極彩色壁画の発見」(有楽町朝日ホール) | 文化庁、(独)日本芸術文化振興会、奈良県、明日香村、朝日新聞社 |
3/21 | 高松塚古墳壁画発見50周年記念シンポジウム「未来へつなぐ高松塚」(奈良県立万葉文化館企画展示室) | 明日香村 |
3/21 | 高松塚古墳壁画発見50周年「高松塚壁画館無料入館」(高松塚壁画館) | 古都飛鳥保存財団 |
3/27 | 高松塚古墳壁画発見50周年記念事業 特別講演「伎楽と天王寺舞楽」(関西大学千里山キャンパス100周年記念会館ホール) | 学校法人関西大学・教育後援会・千寿会・飛鳥史学文学講座振興会、明日香村 |
5/21~5/27 | 第37回壁画公開(高松塚古墳壁画仮設修理施設) | 文化庁、(独)国立文化財機構(奈良文化財研究所・東京文化財研究所)、国土交通省近畿地方整備局国営飛鳥歴史公園事務所、奈良県、明日香村 |
7/9 | 第39回かんだい明日香まほろば講座「終末期古墳と飛鳥の考古学」(有楽町朝日ホール) | 明日香村、学校法人関西大学 |
7/15~9/11 | 飛鳥資料館第13回写真コンテスト「高松塚古墳」作品展示(飛鳥資料館) | (独)国立文化財機構奈良文化財研究所飛鳥資料館 |
7/23~7/29 | 第38回壁画公開(高松塚古墳壁画仮設修理施設) | 文化庁、(独)国立文化財機構(奈良文化財研究所・東京文化財研究所)、国土交通省近畿地方整備局国営飛鳥歴史公園事務所、奈良県、明日香村 |
9月 | 村内子どもたちへの壁画修理作業室の公開 | 明日香村 |
9/17~11/18 | 飛鳥資料館第13回写真コンテスト「高松塚古墳」受賞作品展(高松塚古墳壁画館) | (公財)古都飛鳥保存財団 |
10/8 | 第40回かんだい明日香まほろば講座「東アジアからみた高松塚古墳壁画」(津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス) | 明日香村、学校法人関西大学 |
10/15~10/21 | 第39回壁画公開(高松塚古墳壁画仮設修理施設) | 文化庁、(独)国立文化財機構(奈良文化財研究所・東京文化財研究所)、国土交通省近畿地方整備局国営飛鳥歴史公園事務所、奈良県、明日香村 |
10/15~ | 高松塚古墳壁画発見50周年記念切り絵御朱印の販売※600枚限定、完売しました | 明日香村 |
10/21~12/18 | 秋期特別展「飛鳥美人 高松塚古墳の魅力」(飛鳥資料館) | (独)国立文化財機構奈良文化財研究所飛鳥資料館 |
10/22 | 奈良文化財研究所第14回東京講演会「高松塚古墳壁画を伝えるー発見から石室解体、修理を経て」(有楽町・朝日ホール) | (独)国立文化財機構奈良文化財研究所 |
11/20 | 令和4年度明日香村まるごと博物館フォーラム~未来へつなぐ高松塚~(よみうり大手町ホール) | 明日香村、読売新聞社 |
1/14 | 第41回かんだい明日香まほろば講座「高松塚古墳の被葬者像に迫る」(津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス) | 明日香村、学校法人関西大学 |
1/21~1/27 | 第40回壁画公開(高松塚古墳壁画仮設修理施設) | 文化庁、(独)国立文化財機構(奈良文化財研究所・東京文化財研究所)、国土交通省近畿地方整備局国営飛鳥歴史公園事務所、奈良県、明日香村 |
※関連機関の主な行事をまとめたもので、この他に実施されていた事業もございます
日時:令和4年3月21日(月・祝)
場所:奈良県立万葉文化館企画展示室
来場者:120名(事前申込)
《記念講演》
・「高松塚古墳における調査研究の歴史的意義」(関西大学 米田文孝教授)
米田先生は、飛鳥地域における終末期古墳の調査研究史を取り上げ、高松塚古墳壁画発見の歴史的意義についてご講演されました。調査を担当された網干善教(当時、関西大学助教授)により撮影された発見直後の壁画写真なども紹介されました。
・「文武朝の朝政整備と高松塚古墳の壁画」(阪南大学 来村多加史教授)
来村先生は、高松塚古墳とキトラ古墳に描かれている壁画の違いなどについて言及されました。特に高松塚古墳壁画が律令国家の成立を成し遂げた文武天皇の時代を象徴する壁画として、その意義を明らかにされました。
《パネルディスカッション》
パネリスト:米田文孝教授、来村多加史教授、森川裕一村長
コーディネーター:西光 慎治課長補佐(明日香村教育委員会)
続くパネルディスカッションでは、まず、パネリストが感じた高松塚古墳壁画発見の印象から高松塚古墳の被葬者、さらには高松塚古墳をはじめとした、村内の文化財の今後の活用方法の提案など、未来に向けた視点についても多く紹介されました。
令和4年9月、文化庁及び国営飛鳥歴史公園の協力のもと、村内の幼稚園児、小学生、中学生へ、国宝高松塚古墳壁画仮設修理施設において、壁画・石材を保管している修理作業室を窓ガラス越しで公開しました。
高松塚古墳は奈良県高市郡明日香村大字平田に所在する7世紀末から8世紀初頭にかけて造られた古墳です。古墳の頂上に松の木があったことから、高松山と呼ばれていた江戸時代の記録があります。直径23m円墳で、二上山凝灰岩の切石を組み合わせた石室が納められており、石室内からは漆塗木棺の破片や海獣葡萄鏡、棺金具等の遺物が出土しました。
1972年3月21日、高松塚古墳の石室内の様子が明らかとなり、極彩色の壁画が描かれていることが明らかとなりました。この発見は「世紀の発見」として、文化財関連で初の全国紙第一面のカラー写真記事として取り上げられました。この発見をきっかけとして、全国で考古学ブーム・飛鳥ブームが巻き起こり、同時に文化財保護や飛鳥保存の重要性が叫ばれることとなりました。
高松塚古墳が発見されて以降、終末期古墳の認識が広まりました。東アジアとの比較研究や美術史学からのアプローチなど、従来にはない多様な分野からの研究が実施されるようになりました。技術の進歩と併せて、科学的な手法も取り入れた多角的な研究を進める契機ともなりました。
約1300年前から現代まで伝えられてきた高松塚古墳壁画の歴史的価値は世界的にも非常に高いものといわれています。明日香村に住む方々や壁画の発掘・保存・修復等に携わっていただいた関係者、そして明日香を愛する多くの方の尽力により守られてきた貴重な壁画を、未来へと継承していかなければなりません。
〒634-0142 奈良県高市郡明日香村大字橘21番地 (Google Maps)
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