今回は 高市郡明日香村 島庄遺跡の発掘調査成果の続報について紹介したいと思います。

今回紹介するのは、明日香村教育委員会が平成15年度から継続して行っている島庄遺跡の調査成果についてです。発掘調査地は、大字島庄にある石舞台古墳駐車場になり、これまで、2003-18次、2004-4・14 次調査で、飛鳥時代の掘立柱建物や塀の跡をみつけています。今回の調査面積は約525㎡です。これらの調査では、7世紀全般の時期が想定されている建物群がみつかっていますが、その方位や重複関係等から大きく4つの群に分けられています。

このうち7世紀前半の建物は、調査地北側の方形池と同じ方位でみつかっており、両者の関係が深いことが想定されています。今回の調査区では、西側で飛鳥時代の掘立柱建物や塀になる柱穴を複数みつけることができました。

新たにみつかった建物のうち最も大きなものは、柱穴の規模が長辺約80cm 、柱穴間の距離はその中心から中心までで 2.4 mの規模をもち、三間分を検出しました。

この建物は、前回の調査で検出された7世紀前半の建物と同時期のものと思われます。また、2003-18 次調査で見つかっていた建物については、その規模を確定できたものがあります。

出土した遺物には、サヌカイト剥片、縄文土器、弥生土器、土師器、須恵器、瓦器、陶磁器、瓦などがありました。

今回の調査では、弥生土器を中心とする遺物包含層、飛鳥時代の掘立柱建物もしくは塀になる柱穴を見つけることができました。特に飛鳥時代の遺構として、新たな建物跡をみつけました。このことから、飛鳥時代の建物はさらに北東側に展開している可能性が高まりました。また、これらの建物がどういった配置で建てられていたのか考えるための材料が増えたことにより、遺跡の性格を考える上で非常に重要な成果が上げられた調査となりました。