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今回は現在、飛鳥資料館で開催中の平成18年度冬期企画展について紹介したいと思います。
飛鳥地域では、キトラ古墳や高松塚古墳の発掘調査が多くの人々の関心を集めていますが近年、飛鳥京跡や石神遺跡などにおいても発掘調査が進み、注目すべき発見が続いております。今回の企画展は奈良文化財研究所飛鳥資料館と明日香村が合同で行ったものでその他、橿原考古学研究所をはじめ、高取町教育委員会の協力のもと飛鳥地域で行なわれた発掘調査の成果について速報展を開催致しております。
飛鳥地域の発掘調査は奈良文化財研究所・橿原考古学研究所・明日香村教育委員会によって実施され、その周辺地域では橿原市・桜井市・高取町の各教育委員会が担当しています。平成17年度に明日香村内では21件の発掘調査が行われ、この中には新聞報道で大きく取り上げられた遺跡も含まれています。
平成17年は蘇我氏に関わる調査が多く見られました。蘇我馬子の墓とされる石舞台古墳に隣接した場所で古墳の造営や祭祀に関わる巨大な柱穴が見つかり、島庄遺跡では飛鳥時代の掘立柱建物群が発見され、蘇我馬子の邸宅や草壁皇子の嶋宮との関連が注目されました。また甘樫丘東麓遺跡では平成6年の調査に続き、蘇我蝦夷・入鹿の邸宅と推定される建物群も見つかっています。飛鳥の中心部では天武天皇の飛鳥浄御原宮と推定される飛鳥宮で巨大な正殿の北側から同規模の建物が検出され、飛鳥宮の建物配置が明らかとなりました。さらに石神遺跡では「観世音経」と記された木簡が出土し、古代寺院の調査では川原寺跡で約50年ぶりに伽藍中心部で経楼あるいは鐘楼と推定される建物が検出されました。高取町の観覚寺遺跡では方形池や渡来系の人々が暮らしていたとされる大壁建物が見つかりまた、地ノ窪のカヅマヤマ古墳では南海地震で崩落した磚積みの石室が発見されるなど注目を集めました。一方、雷丘では飛鳥地域で初めて中世山城が調査され、同時に古墳時代の埴輪や飛鳥時代の小石室が検出されるなど雷丘の全貌が明らかとなりました。このように平成17年度の調査はまさに「日本書紀」の世界を彷彿させるものであり、速報展では各遺跡から出土した遺物等も展示されています。
〒634-0142 奈良県高市郡明日香村大字橘21番地 (Google Maps)
開庁時間
月曜日~金曜日 8:30~17:15
※土・日・祝及び12月29日から1月3日は除く
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