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竹田遺跡は、現在の八釣集落より西の狭小な丘陵部両側にあります。「万葉集」には「矢釣山」を詠んだ歌があり、現在の八釣集落近辺に天武天皇の皇子である新田部皇子の邸宅があった可能性が指摘されていました。
これまでの調査では、7世紀後半を中心とした掘立柱建物群などを検出しています。これらの成果をうけて、今回新たに約720㎡を調査しました。
今回の調査では、建物6棟ならびに塀1条を検出しました。これらの建物群は、方位を意識して建てられてい ます。時期は出土した土器から、飛鳥時代の後半を中心としたものと考えられます。特に南北二間×東西五間以上の東西棟建物は、掘形が大き<、柱痕跡は残存部分で、25~30cmありました。この建物は、飛鳥の地域で見つかっている建物のなかでも大型のものになります。出土した遣物には、土師器、須恵器、墨色土器、瓦器、瓦.石器、石材などがあります。
今回、ニカ所の調査区を設け発掘調査を行ったところ、飛鳥時代でも後半以降の時期に建てられたと思われる建物群の一部が検出されました。前回までに確認した飛鳥時代後半の建物群に関連した建物群である可能性があります。調査地が前回よりも西側に位置することから、建物群はさらに西側まで展開していたことも明らかとなりました。このように、飛鳥周辺の狭小な丘陵部に飛鳥時代の邸宅があったことや、こういった地域での土地利用状況の一端が明らかになったことから、当時の宮都こおける空間構造を考える上で重要な資料を提供できたといえるでしょう。さらなる周辺での発掘調査が期待されます。
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