○明日香村政治倫理条例
平成19年12月10日
条例第13号
(目的)
第1条 この条例は、村政が村民の厳粛なる信託によるものであることを認識し、その担い手たる村長、副村長、教育長(以下「村長等」という。)及び村議会議員(以下「議員」という。)が、村民全体の奉仕者として、その人格と倫理の向上に努め、自己の地位による影響力を不正に行使し、自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、村政に対する村民の信頼に応え、公正で開かれた民主的な村政の発展に寄与することを目的とする。
(村長等及び議員の責務並びに政治倫理基準)
第2条 村長等及び議員は、村民の信頼に値する倫理性を自覚し、その高潔性を実証するとともに、常に村民全体の利益を擁護し、公共の利益を損なう次のようなことがあってはならない。
(1) 村民全体の奉仕者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為
(2) 刑法上の贈収賄罪に該当するか否かを問わず、その職務の公正を疑わせるような金品授受の行為又はその地位を利用した村職員に対する物品販売の行為
(3) 村並びに村が関係する公共工事(下請工事を含む。)、業務委託、物品納入及び使用資材の購入(以下「工事等」という。)に関して特定の業者の推薦又は紹介をするなど、有利な取り計らいをすること。
2 村長等及び議員は、村民全体の安全と安心を念頭に、一切の暴力を排除しなければならない。
3 村長等及び議員は、政治倫理に違反する事実があるとの疑いをもたれた場合には、第5条に定める政治倫理審査会に出席し、自ら潔い態度をもって疑惑の解明にあたるとともに、その責任を明らかにしなければならない。
(村民の責務)
第3条 村民は、自らも主権者として村政を担い、公共の利益を実現する責務を負うものであるとの自覚を持ち、村長等及び議員に対し、次に掲げる働きかけを行ってはならない。
(1) 前条第1項第3号に規定する工事等の指名又は選定の依頼
(2) 村職員の採用に関しての推薦又は紹介の依願
(3) 道義的批判を受けるおそれのある寄付行為
(4) その他、飲食の供与等社会通念上疑惑をもたれるおそれのある行為
(工事等の契約に関する遵守事項)
第4条 村長等及び議員、又は村長等及び議員の配偶者並びに一親等以内か同居の親族が役員をしている企業、若しくは村長等及び議員が実質的に経営に携わっている企業は、第2条第1項第3号に規定する工事等にかかる契約を予め辞退しなければならない。
2 村長等及び議員は、前項の規定により関係企業が契約を辞退するときは、村民に疑惑をもたれないように責任をもって関係企業の辞退届を提出するものとする。
4 村長は、前項の規定により提出された辞退届の写しを議長に送付しなければならない。
5 村長は、村長等及び議員の辞退届の提出状況を公表するものとする。
(政治倫理審査会の設置)
第5条 政治倫理確立に関する必要な事項を調査するため、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第138条の4第3項の規定に基づき、明日香村政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。
2 審査会の委員は、原則として次のとおりとし、村長が議会の同意を得て選任する。
(1) 社会的人望があり専門的知識を有する者 2名
(2) 法第18条に定める選挙権を有する村民 3名
3 審査会の委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 審査会の会議は公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員定数の3分の2以上の者の同意を必要とする。
(委員の守秘義務等)
第6条 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
2 審査会の委員は、その職務を政治的目的のために利用してはならない。
3 審査会の委員は、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
2 村長及び議長は、前項の規定による調査の請求を受けたときは、受けた日の翌日から起算して10日以内にその書面の写しを添えて、審査会に調査を求めるものとする。
3 第1項の規定による調査の請求は、規則で定める期間請求することができない。
(審査会の調査)
第8条 審査会は、前条第2項の規定により調査を求められたときは、当該事実の存否の調査を行い、調査を受けた日から60日以内に調査結果報告書を村長及び議長に提出しなければならない。
2 村長及び議長は、前項の調査結果報告書の提出を受けたときは、10日以内に請求者に文書で回答するとともに、速やかに公表しなければならない。
3 審査会は、第1項の調査を行うため、関係者から資料の提出をもとめ、事情聴取を行うことができる。
2 前項の規定により調査した結果、審査会において規定に違反しているとの報告があった場合、村長は当該契約を締結してはならない。この場合において、村長はその旨を公表するものとする。
2 前項の規定により調査した結果、審査会において規定に違反しているとの報告があった場合、村長はその旨を公表するものとする。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成20年4月1日から施行する。
附則(平成22年条例第14号)
この条例は、平成22年10月1日から施行する。